ラファエル前派の絵を初めて見たのは、高校の時芸術新潮1982年11月号の世紀末特集だったと思う。学校にあったその雑誌をパクって持っていたはずでしたが、売ってしまったみたいで今は、ないです。
世紀末、象徴派といわれるヨーロッパ各国の画家に混ざって、イギリスラファエル前派の絵が何枚か載っていたのだ。中でもロセッティの絵は、見た事がない感覚の物で影響され、その頃、古本屋でラファエル前派の画集を探し買ったりして、しばらく陶酔していたが、飽きたのと他にいろいろ興味が移ってその後、忘れていた。
去年出たらしいこの本は、詳細にラファエル前派について書かれていて、しかも絵もたくさん載っていた。今回しっかりした経緯を知りたいと思い読んでみる事にした。
ロセッティ、ハント、ミレーの三人が、中世の歴史や文学の一場面を画面の隅々まで、描写し硬い輪郭線を用いて克明に描く。15世紀のイタリアやフランドルの絵画に傾倒した試みから1848年に結成された共同体が、ラファエル前派であった、4,5年ぐらいすると、それぞれの方向に向かっていき画風はそれぞれになっていく。そして、何年後かにロセッティ、バーン・ジョーンズ、モリスによる第二次ラファエル前派が再び立ち上げられる。
そしてわかったのは、ラファエル前派の絵は、そんなになんとも思わない、くどくて気持ち悪いのだ、結局ロセッティの晩年の絵にだけ興味があったのだということが今回わかった。
高校の時、芸術新潮で見た絵は、第二次ラファエル前派も終わった、ロセッティの晩年の作品だったというのが、今回わかったのだ。つまり、晩年の作品を世紀末的、象徴的な作品として取り上げていたんだろうと想像できる。
ロセッティがモデルとして見つけ出し、モリスと結婚していたジェインをモデルとした、装飾的な作品、それがロセッティの代表作であり、ラファエル前派を象徴する作品なのだったのだが、実際は、ラファエル前派とは関係がなくなってからの作品であるといっていい。
決して美人でない、首の太い、長身で痩せてごっつい黒髪のジェインの悲しげで、内向的な表情が、暗い画面から何か霊的な暗示を感じさせるのだ。
改めて、ジェインをモデルにした後期の作品を見ると、地味で、暗く色身がほとんどないのだ。それまでの作品は、金髪、バラ、赤い服、金、銀の装飾物といった風にゴテゴテして派手である。
金持ちのボンボンの集まりであるラファエル前派は、結局それまでのコテコテさと変わる事はなかったのだ。印象派のような、本当の自然を捉える事もできず、心理描写もつくったようなものでしかない。
ロセッティの作品の中で唯一ソウルを感じるのは、このベアタ・ベアトリクスである。亡くなった奥さんをモデルに描いたものである。
絵的に好きなのは、この作品である。
ジェインをモデルにした作品は、ジェイン自身が放っていた雰囲気かもしれない、独特な怪しい魅力があるのは事実だ。
いずれにしても、ロセッティの絵の主題は、気に入った女性という事である、ジェインや奥さんのリジーである。
ジェインとは、不倫関係になったみたいであるが、会う事がなくなり、最後の方は、想像で描いているという事である。
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